主任技術者とは?「必要な資格」、「兼務の可否」や「常駐の要否」について分かりやすく解説
- 主任技術者の業務の内容を知りたい方
- 主任技術者の専任と非専任について知りたい方
- 主任技術者に必要な資格や経験について知りたい方
- 主任技術者と監理技術者の違い
工事現場には、現場代理人や主任技術者、監理技術者等、様々な肩書を持った人がいます。
しかし、主任技術者とは、具体的にどのような役目かを知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、「主任技術者」の業務内容や常駐義務、必要な資格などについて解説します。
この記事を読めば、主任技術者という肩書や業務の内容や専任、非専任について理解できます。
この記事を書いた人
職業 / Occupation
昼は土木作業員、夜は二児のパパ
仕事と資格勉強は両立可能!
実績 / Achievements
・1級土木、2級土木所持
・応用情報など分野外の資格所持
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・セコカン第二次検定用『対策ノート』
販売部数「350部」突破!
主任技術者とは
はじめに、主任技術者についての情報をまとめておきます。
- 工事現場の『技術上の管理』のために配置する技術者のこと。
- 請負金額に応じて、現場に「専任」であることが求められる。
- 主な役割は、
・施工計画の作成
・工程管理
・品質管理
・施工に従事する作業員の指導 - 要件として一級、二級国家資格や一定以上の実務経験が求められる
- 主任技術者は、現場代理人と兼務可能
主任技術者とは、工事現場における「施工の技術上の管理を行う役目を担う人」の事を言います。
建設業法第26条第1項には、以下のように規定されております。
建設業法第26条第1項
建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。
建設業法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100)
主任技術者は、現場代理人と違い「技術上の管理」に特化した役目の人の事だね。
主任技術者の業務内容
主任技術者の業務の主な目的は、「技術上の管理」です。
具体的な業務としては…
- 施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 施工に従事する作業員の指導
などが挙げられます。
これは、建設業法第26条の4に明記されております。
建設業法第26条の4
1 主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
2 工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者又は監理技術者がその職務として行う指導に従わなければならない。
建設業法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100)
このように業務内容は多岐にわたるため、建築や土木工事に関する知識と経験を持ち、現場での判断や問題解決能力が求められる役目です。
主任技術者は常駐が必要かどうか
主任技術者については、現場の常駐は『不要』とされています。
「常駐」の要不要の話をする際に、紛らわしい言葉として「専任」が挙げられます。
専任と常駐の違いについては、次章で合わせて解説いたします。
主任技術者の専任と非専任について
主任技術者は、選出する際に「専任」と「非専任」を決める必要があります。
この言葉の意味の違いは、以下の通りです。
- 専任:1つの現場のみを担当する
- 非専任:2つ以上の複数の現場を担当する
このように、主任技術者が担当する現場の数によって、専任か非専任と扱いが変わるという事です。
また、建設業法第26条の4にある、「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるもの」に当てはまる現場は、当該工事現場の工事請負金額によって変わります。
建設業法第26条の4
3 公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるものについては、前二項の規定により置かなければならない主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。ただし、監理技術者にあつては、発注者から直接当該建設工事を請け負つた特定建設業者が、当該監理技術者の行うべき第二十六条の四第一項に規定する職務を補佐する者として、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者に準ずる者として政令で定める者を当該工事現場に専任で置くときは、この限りでない。
建設業法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100)
令和5年1月1日より制度の改正が施行され、金額が以下の通り変更になっています。
主任技術者又は監理技術者の専任を要する請負代金額の下限について、3500万円(建築一式工事の場合は7000万円)から4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)に引き上げ。
建設業法施行令の一部を改正する政令について(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001572779.pdf)
つまり、専任の主任技術者が必要な工事は、『請負代金額が4,000万円』以上。
建築一式工事の場合は、『請負代金額が8,000万円』以上が専任を要する現場ということになります。
下請代金総額が4,500万円以上の元請工事(建築一式工事は7,000万円以上)場合は、『監理技術者』という技術者の配置が必要になるよ!
専任と常駐の意味の違い
常駐の言葉の意味は、「常に駐在していること」です。
一方、専任とは「ある一つの任務だけを担当すること」という意味があります。
言葉の意味を理解し、工事現場に当てはめると
- 「常駐」
その工事現場に駐在はするが、他の工事現場の仕事も兼任可能 - 「専任」
その工事現場の仕事以外は兼任できない
という事になります。
ただ、「専任」とは工事現場における業務に対して指す言葉です。
研修や講習、休暇取得などの業務外の理由で現場を離れる事に関しては、問題ありません。
したがって「専任」は、必ずしも該当する建設現場に常駐することではありません。
主任技術者に必要な資格と経験
主任技術者に求められる要件は、以下の通りです。
●一級国家資格者
・1級施工管理技士
・1級建築士
・技術士等
●二級国家資格者
・2級施工管理技士等
●実務経験者
・大学(指定学科)卒業後3年以上の実務経験
・高校(指定学科)卒業後5年以上の実務経験
・10年以上の実務経験
しっかりと資格や経験が無いと務まらない役なんだねー
主任技術者は現場代理人と兼務可能か
法律上、現場代理人の兼務に関する規定はありません。
つまり、同じ現場において主任技術者と現場代理人を兼務することが可能です。
結構兼務は一般的ですね♪
土木施工管理の資格取得で悩んでいる方へ
主任技術者や監理技術者になるためには、「土木施工管理技士」などの資格が必要です。
しかし、資格の取得を独力で達成するためには、かなりの勉強時間や覚悟必要になります。
また、土木施工管理技士の最大の課題である、二次検定の『経験記述』の最善の対策は、『他人の添削を受ける事』です。
経験記述で合格点を取ることができなければ、そもそも学科記述の採点もされず不合格となってしまいます。
ですので、中途半端な勉強量や自信で試験に臨むことは得策ではありません。
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まとめ
今回は、主任技術者について解説しました。
最後に、改めて主任技術者についてまとめてます。
内容を確認して、自分が主任技術者になったときに対応できるように役目を理解しておきましょう。
- 工事現場の『技術上の管理』のために配置する技術者のこと。
- 請負金額に応じて、現場に「専任」であることが求められる。
- 主な役割は、
・施工計画の作成
・工程管理
・品質管理
・施工に従事する作業員の指導 - 要件として一級、二級国家資格や一定以上の実務経験が求められる
- 主任技術者は、現場代理人と兼務可能