【令和5年度前期】2級土木施工管理技士試験第一次検定の過去問解説
No.43~No.53
No.43
閉合トラバース測量による下表の観測結果において、測線ABの方位角が182°50′39″のとき、測線BCの方位角として、適当なものは次のうちどれか。
⑴ 102°51′5″
⑵ 102°53′7″
⑶ 102°55′10″
⑷ 102°57′13″
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解答:4
方位角とは、真北から測定した測線への角度をいいます。
測点Aから真下(真南)に向かって垂線を伸ばすと、側線ABとの角度は
(182°50′39″-180°00′00″)=2°50′39″となります。
この角度は測点Bから真北に向けて伸ばした垂線の角度と同一となるため(錯角)
100°6′34″+2°50′39″=102°57′13″が側線BCの方位角となります。
以上から、102°57′13″が正解となるため、設問は適当です。
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No.44
公共工事標準請負契約約款に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 設計図書とは、図面、仕様書、契約書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
⑵ 現場代理人とは、契約を取り交わした会社の代理として、任務を代行する責任者をいう。
⑶ 現場代理人、監理技術者等及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
⑷ 発注者は、工事完成検査において、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
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解答:1
設計図書とは、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいいます。
契約書は含まれないため、設問は不適当です。
設計図書に含まれるものについての問題は過去にもよく出題されています。
契約書は含まれないことを覚えておきましょう
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No.45
下図は標準的なブロック積擁壁の断面図であるが、ブロック積擁壁各部の名称と記号の表記として2つとも適当なものは、次のうちどれか。
⑴ 擁壁の直高L1、裏込めコンクリートN1
⑵ 擁壁の直高L2、裏込めコンクリートN2
⑶ 擁壁の直高L1、裏込め材N1
⑷ 擁壁の直高L2、裏込め材N2
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解答:3
擁壁の直高はL1(基礎天端から天端コンクリート天端まで)、裏込め材はN1であるため、設問は適当です。
擁壁の直高L1、裏込め材N1、裏込めコンクリートN2となります。
名称と記号を覚えておきましょう。
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No.46
建設工事における建設機械の「機械名」と「性能表示」に関する次の組合せのうち、適当なものはどれか。
[機械名] [性能表示]
⑴ バックホゥ………バケット質量(kg)
⑵ ダンプトラック…車両重量(t)
⑶ クレーン…………ブーム長(m)
⑷ ブルドーザ………質量(t)
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解答:4
ブルドーザは全装備の質量(t)で性能表示をします。
よって設問は適当です。
車両重量と車両総重量は違うため、間違えやすい問題です。
車両重量には運転手、積み荷が含まれないことを覚えておきましょう。
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No.47
施工計画作成のための事前調査に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ 近隣環境の把握のため、現場周辺の状況、近隣施設、交通量等の調査を行う。
⑵ 工事内容の把握のため、現場事務所用地、設計図書及び仕様書の内容等の調査を行う。
⑶ 現場の自然条件の把握のため、地質、地下水、湧水等の調査を行う。
⑷ 労務、資機材の把握のため、労務の供給、資機材の調達先等の調査を行う。
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解答:2
現場事務所用地の調査は工事内容の把握には関係ありません。
よって設問は不適当です。
施工計画作成のための事前調査として、下記を覚えておきましょう。
・周辺環境調査(近隣施設、交通量等)
・現場条件と設計図書との相違の有無について調査
・自然条件の調査(地質、水文、気象条件等)
・労務、資機材についての調査
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No.48
労働者の危険を防止するための措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法上、誤っているものはどれか。
⑴ 橋梁支間20m以上の鋼橋の架設作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。
⑵ 明り掘削の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、保護帽を着用する。
⑶ 高さ2m以上の箇所で墜落の危険がある作業で作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、要求性能墜落制止用器具を使用する。
⑷ つり足場、張出し足場の組立て、解体等の作業では、原則として要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、要求性能墜落制止用器具を使用する。
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解答:1
橋梁支間20m以上ではなく30m以上の鋼橋の架設作業を行う場合となっているため、設問は不適当です。
一見するとどの問題も誤っている箇所がないようにみえます。
こういった場合は書かれている数値の間違いがないか、疑ってみるとよいでしょう。
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No.49
高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体作業にともなう危険を防止するために事業者が行うべき事項に関する次の記述のうち、労働安全衛生法上、誤っているものはどれか。
⑴ 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない。
⑵ 外壁、柱等の引倒し等の作業を行うときは、引倒し等について一定の合図を定め、関係労働者に周知させなければならない。
⑶ 器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させなければならない。
⑷ 作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入り許可区域を明示しなければならない。
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解答:4
立入り許可区域を明示するのではなく、立入りを禁止しなければなりません。
よって設問は不適当です。
設問は解体作業にともなう危険を防止するために事業者が行うべき事項についてです。
事故発生を防ぐためにすべきこと、すべきではないこと、といった観点からみると、正解を選べると思います。
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No.50
建設工事の品質管理における「工種・品質特性」とその「試験方法」との組合せとして、適当でないものは次のうちどれか。
[工種・品質特性]…[試験方法]
⑴ 土工・盛土の締固め度…RI計器による乾燥密度測定
⑵ アスファルト舗装工・安定度…平坦性試験
⑶ コンクリート工・コンクリート用骨材の粒度…ふるい分け試験
⑷ 土工・最適含水比…突固めによる土の締固め試験
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解答:2
アスファルトの安定度はマーシャル安定度試験により求めます。
平坦性試験は道路の縦断方向の凸凹度合いを測定する試験です。
よって設問は不適当です。
土木工事に関わっている人であれば試験報告書や現場で耳にする品質試験もあるかと思います。
品質管理を行ううえでどれも重要な試験なので、各試験について覚えておきましょう。
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No.51
レディーミクストコンクリート(JIS A5308)の品質管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ スランプ12cmのコンクリートの試験結果で許容されるスランプの上限値は、14.5cmである。
⑵ 空気量5.0%のコンクリートの試験結果で許容される空気量の下限値は、3.5%である。
⑶ 品質管理項目は、質量、スランプ、空気量、塩化物含有量である。
⑷ レディーミクストコンクリートの品質検査は、荷卸し地点で行う。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
レディーミクストコンクリートの品質項目は、強度、スランプまたはスランプフロー、空気量、塩化含有量であり、荷下ろし時にはこれらの各規定を満足しなければいけません。
質量は品質項目に含まれていませんが、荷下ろし時点でコンクリートの納入書に記載されている量を下回ってはいけません。
よってこの設問は適当ではないため、正解となります。
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No.52
建設工事における環境保全対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
⑴ 騒音や振動の防止対策では、騒音や振動の絶対値を下げること及び発生期間の延伸を検討する。
⑵ 造成工事等の土工事にともなう土ぼこりの防止対策には、アスファルトによる被覆養生が一般的である。
⑶ 騒音の防止方法には、発生源での対策、伝搬経路での対策、受音点での対策があるが、建設工事では受音点での対策が広く行われる。
⑷ 運搬車両の騒音や振動の防止のためには、道路及び付近の状況によって、必要に応じ走行速度に制限を加える。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:4
運搬車の走行速度は道路とその付近の状況に応じて制限を加えるように計画や実施をします。
運転中も不必要な急発進や急停止、空ぶかしなどは避けて丁寧な扱いを心がけるようにしなければなりません。
また、運搬車は運搬料や投入台数、走行頻度などを十分検討して騒音の小さい車両を使用するように努めなければなりません。
自分が住人だったら何にストレスを感じるかを想像すると、対策すべき点が思いつくようになります。
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No.53
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)に定められている特定建設資材に該当するものは、次のうちどれか。
⑴ 建設発生土
⑵ 廃プラスチック
⑶ コンクリート
⑷ ガラス類
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
コンクリートは特定建設資材には該当します。
そのほかコンクリートと鉄からなる建設資材、木材、アスファルトコンクリートの大きく分けた4つが特定建設資材となります。
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