過去問解説

【令和5年度前期】2級土木施工管理技士試験第一次検定の過去問解説

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No.32~No.42

No.32

賃金に関する次の記述のうち、労働基準法上、誤っているものはどれか。

⑴ 賃金とは、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

⑵ 未成年者の親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代って受け取ることができる。

⑶ 賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる。

⑷ 賃金は、原則として、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

解答&解説
解答:2

親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代って受け取ってはならない(労働基準法第59条)と定められています。
たとえ未成年者であっても賃金は本人が受け取る権利があります。
よって設問は不適当です。

労働基準法は、国籍や身分などに関わらず、全労働者の適切な雇用を守る法律です。
労働者の権利を守るためのものなので、未成年だからといって賃金を本人が受け取れないのはおかしい、と直感的にわかると思います。

No.33

災害補償に関する次の記述のうち、労働基準法上、誤っているものはどれか。

⑴ 労働者が業務上疾病にかかった場合においては、使用者は、必要な療養費用の一部を補助しなければならない。

⑵ 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合の補償を受ける権利は、差し押さえてはならない。

⑶ 労働者が業務上負傷し治った場合に、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて障害補償を行わなければならない。

⑷ 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、遺族補償を行わなければならない。

解答&解説
解答:1

労働基準法第75条において、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない、とあります。
(療養補償)一部の補助ではありません。
よって設問は不適当です。

労働基準法は全労働者の適切な雇用を守る法律であり、労働者の人としての生活を満たすためのものです。
設問の「療養費用の一部を補助」のような、労働者に不利な条件になりかねない文面に注意しましょう。

No.34

労働安全衛生法上、事業者が、技能講習を修了した作業主任者を選任しなければならない作業として、該当しないものは次のうちどれか。

⑴ 高さが3mのコンクリート橋梁上部構造の架設の作業

⑵ 型枠支保工の組立て又は解体の作業

⑶ 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削の作業

⑷ 土止め支保工の切りばり又は腹起こしの取付け又は取り外しの作業

解答&解説
解答:1

作業主任者の選任が必要なのは、高さが5m、または支間が30mのコンクリート橋梁上部構造の架設の作業です。よって設問は不適当です。

地山の掘削及び土止め支保工作業主任者、型枠支保工の組立等作業主任者、足場の組立等作業主任者は一般的な土木工事において必要となることが多いため、条件をよく覚えておきましょう。

No.35

建設業法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

⑴ 建設業者は、建設工事の担い手の育成及び確保、その他の施工技術の確保に努めなければならない。

⑵ 建設業者は、請負契約を締結する場合、工事の種別ごとの材料費、労務費等の内訳により見積りを行うようにする。

⑶ 建設業とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするのかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。

⑷ 建設業者は、請負った工事を施工するときは、建設工事の経理上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならない。

解答&解説
解答:4

建設業法第26条において、「建設業者は、請負った工事を施工するときは、建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならない」とあります。
経理上ではありません。
よって設問は不適当です。

法律に関する内容なので文面は難しいですが、工事の施工なのに現場に経理上の管理をつかさどうる技術者を配置しなければならない、とするのは明らかにおかしいです。
よくわからない問題でもこういった文面の間違いを見落とさないようにしましょう。

No.36

道路に工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合において、道路管理者の許可を受けるために提出する申請書に記載すべき事項に該当するものは、次のうちどれか。

⑴ 施工体系図

⑵ 建設業の許可番号

⑶ 主任技術者名

⑷ 工事実施の方法

解答&解説
解答:4

工事実施の方法は道路占用の許可申請に必要な内容です。
よって設問は適当です。

道路占用許可の申請に必要な項目として、下記を覚えておきましょう。
・道路占用の目的、期間、場所
・工作物、施設の構造
・工事実施の方法
・工事の時期
・道路の復旧方法

No.37

河川法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

⑴ 都道府県知事が管理する河川は、原則として、二級河川に加えて準用河川が含まれる。

⑵ 河川区域は、堤防に挟まれた区域と、河川管理施設の敷地である土地の区域が含まれる。

⑶ 河川法上の河川には、ダム、堰、水門、床止め、堤防、護岸等の河川管理施設が含まれる。

⑷ 河川法の目的には、洪水防御と水利用に加えて河川環境の整備と保全が含まれる。

解答&解説
解答:1

一級河川は国土交通大臣、二級河川は都道府県知事、準用河川については市町村長が管理すると河川法に定められています。よって設問は不適当です。

一級河川、二級河川、準用河川の管理者を知っていれば、他の問題がわからなくても正解できます。

No.38

建築基準法上、建築設備に該当しないものは、次のうちどれか。

⑴ 煙突

⑵ 排水設備

⑶ 階段

⑷ 冷暖房設備

解答&解説
解答:3

階段は昇降機に該当しそうですが、昇降機の定義は「動力を用いて人又は物を建築物のある階又はある部分から他の階又はある部分へ移動・運搬のための設備」とあります。
エレベーターなどは該当しますが、階段は該当しなため設問は不適当です。

No.39

火薬類の取扱いに関する次の記述のうち、火薬類取締法上、誤っているものはどれか。

⑴ 火薬類を取り扱う者は、所有又は、占有する火薬類、譲渡許可証、譲受許可証又は運搬証明書を紛失又は盗取されたときは、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出なければならない。

⑵ 火薬庫を設置し移転又は設備を変更しようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。

⑶ 火薬類を譲り渡し、又は譲り受けようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。

⑷ 火薬類を廃棄しようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、原則として、都道府県知事の許可を受けなければならない。

解答&解説
解答:1

紛失又は盗取されたときは都道府県知事ではく警察官または海上保安庁に届出ます。
事故に該当するためです。
よって設問は不適当です。

この設問では許可証等の紛失又は盗取以外は都道府県知事の許可が必要となっています。
こういった問題は過去問をこなし、届出先の正誤がわかるように慣れておく必要があります。

No.40

騒音規制法上、住民の生活環境を保全する必要があると認める地域の指定を行う者として、正しいものは次のうちどれか。

⑴ 環境大臣

⑵ 国土交通大臣

⑶ 町村長

⑷ 都道府県知事又は市長

解答&解説
解答:4

都道府県知事または市長は騒音規制法上、住民の生活環境を保全する必要があると認める地域の指定を行います。
よって設問は適当です。

騒音規制法の内容を理解し、誰が実施するかの役割を理解していなければ正解を選べません。
法律の問題は覚えることが多いので、内容を全て覚えようとせず、過去問を繰り返しピンポイントで類似問題を覚えておくほうが効率的でしょう。

No.41

振動規制法上、指定地域内において特定建設作業を施工しようとする者が、届け出なければならない事項として、該当しないものは次のうちどれか。

⑴ 特定建設作業の現場付近の見取り図

⑵ 特定建設作業の実施期間

⑶ 特定建設作業の振動防止対策の方法

⑷ 特定建設作業の現場の施工体制表

解答&解説
解答:4

施工体制表、施工体系図等は工事期間中に公衆が見やすい場所に掲示する必要はありますが、届出には必要ありません。
よって設問は不適当です。

No.42

港則法上、許可申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

⑴ 船舶は、特定港内又は特定港の境界附近において危険物を運搬しようとするときは、港長の許可を受けなければならない。

⑵ 船舶は、特定港において危険物の積込、積替又は荷卸をするには、その旨を港長に届け出なければならない。

⑶ 特定港内において、汽艇等以外の船舶を修繕しようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。

⑷ 特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。

解答&解説
解答:2

危険物の積込、積替又は荷卸のため、届出ではなく港長の許可が必要です。
よって設問は不適当です。

港長の許可が必要な場合について、主に下記があります。
・特定港内における危険物積込、運搬、荷卸し等をする場合
・特定港の境界附近で工事又は作業をする場合
・特定港内において端艇競争その他の行事をしようとする場合
・特定港内において竹木材を船舶から水上に卸そうとする場合
・特定港内においていかだをけい留し、又は運行しようとする場合

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どぼくじら
数年前にIT企業から土木作業員に転職。現在は、施工管理技士試験や現場で活かせる情報を発信するブログを運営中。現場仕事と育児をこなしながら、限られた勉強時間で1級、2級土木施工管理技士の試験に1発合格。資格取得のノウハウや勉強法などを中心に発信しています。