【令和5年度前期】2級土木施工管理技士試験第一次検定の過去問解説
令和5年度前期 2級土木施工管理技士第一次検定の試験問題の解説記事
本記事では、『令和5年度前期 2級土木施工管理技士第一次検定』の過去問を解説しております。
他の年度の過去問題は、下記の記事『2級土木施工管理技士の過去問ダウンロード一覧』からダウンロードして確認いただけます。
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令和5年度前期 2級土木施工管理技士第一次検定 過去問解説
No.1~No.11
No.1
土工の作業に使用する建設機械に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
⑴ ブルドーザは、掘削・押土及び短距離の運搬作業に用いられる。
⑵ バックホゥは、主に機械位置より高い場所の掘削に用いられる。
⑶ トラクターショベルは、主に機械位置より高い場所の掘削に用いられる。
⑷ スクレーパは、掘削・押土及び短距離の運搬作業に用いられる。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
バックホウとは、油圧により作動するアームの先にショベルを装着した建設機械です。
ユンボという名のほうが聞きなれているかもしれませんが、こちらは商品名であるため、正式名称のバックホウで覚えましょう。
バックホウは構造物の床掘やオープン掘削など、地面より低い場所での掘削に適しています。
トラクターショベルは前面に取り付けたバケットで土をすくい、運搬や積込を行う機械です。
ブルドーザと混同するかもしれませんが、ブルドーザはブレードで土を押し運ぶのに対し、トラクターショベルは土砂をすくいとって運搬します。
バックホウ同様、地面より低い場所での掘削に適しています。
スクレーパは、掘削・積込・運搬・敷均の一連の土工作業を1台で行える建設機械です。
(締固め作業はできません)設問の押土・短距離の運搬作業はブルドーザの特徴です。
また、スクレーパは中距離の運搬に適しています。
ブルドーザは、押土・短距離の運搬に適している。
バックホウ、トラクターショベルは地面より低い場所での運搬に適している。
スクレーパは、掘削・積込・運搬・敷均の一連の土工作業(締固め除く)を1台で行える。
といった特徴を重機のイメージと結び付け、しっかりと把握しておきましょう。
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No.2
法面保護工の「工種」とその「目的」の組合せとして、次のうち適当でないものはどれか。
[工種] [目的]
⑴ 種子吹付け工…………土圧に対抗して崩壊防止
⑵ 張芝工…………………切土面の浸食防止
⑶ モルタル吹付工………表流水の浸透防止
⑷ コンクリート張工……岩盤のはく落防止
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
種子吹付け工は、植生による法面保護工です。
種子や肥料などを混合し、圧縮空気により法面に吹付ける工法で、法面の浸食防止を主な目的としています。
土圧に対抗して崩壊防止を目的とするのは、ブロック積擁壁、かご工等の構造物による法面保護工であるため、設問は不適当です。
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No.3
道路における盛土の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ 盛土の締固め目的は、完成後に求められる強度、変形抵抗及び圧縮抵抗を確保することである。
⑵ 盛土の締固めは、盛土全体が均等になるようにしなければならない。
⑶ 盛土の敷均し厚さは、材料の粒度、土質、施工法及び要求される締固め度等の条件に左右される。
⑷ 盛土における構造物縁部の締固めは、大型の機械で行わなければならない。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:4
十分広い施工場所であれば大型機械による締固めが適当ですが、構造物付近などの端部(狭い場所)は大型機械では施工にムラができ、品質が低下するおそれがあります。
端部はタンパやプレートコンパクタといった小型機械で施工します。
よって設問は不適当です。
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No.4
軟弱地盤における改良工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ サンドマット工法は、表層処理工法の1つである。
⑵ バイブロフローテーション工法は、緩い砂質地盤の改良に適している。
⑶ 深層混合処理工法は、締固め工法の1つである。
⑷ ディープウェル工法は、透水性の高い地盤の改良に適している。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
深層混合処理工法は、軟弱土とセメント系の固化材を混合することで柱状の改良体を地中につくり、地盤改良を行う工法です。
しっかりした地盤(支持層)まで到達する柱を基礎とし、その上に建物をつくるイメージです。
このように軟弱土と固化材を混合して地盤を強化する工法を固結工法といいます。
よって設問は不適当です。
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No.5
コンクリートに用いられる次の混和材料のうち、水和熱による温度上昇の低減を図ることを目的として使用されるものとして、適当なものはどれか。
⑴ フライアッシュ
⑵ シリカフューム
⑶ AE減水剤
⑷ 流動化剤
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
フライアッシュとは、火力発電の際に発生する灰を再利用した材料です。
コンクリートと混ぜることで、ワーカビリィ(作業のしやすさ)の向上、コンクリートの長期強度の向上、水和熱の低減などの効果があります。
よって設問は適当です。
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No.6
コンクリートのスランプ試験に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ スランプ試験は、高さ30cmのスランプコーンを使用する。
⑵ スランプ試験は、コンクリートをほぼ等しい量の2層に分けてスランプコーンに詰める。
⑶ スランプ試験は、各層を突き棒で25回ずつ一様に突く。
⑷ スランプ試験は、0.5cm単位で測定する。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:2
2層ではなく3層に分けます。よって設問は不適当です。
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No.7
フレッシュコンクリートに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ コンシステンシーとは、練混ぜ水の一部が遊離してコンクリート表面に上昇する現象である。
⑵ 材料分離抵抗性とは、コンクリート中の材料が分離することに対する抵抗性である。
⑶ ワーカビリティーとは、運搬から仕上げまでの一連の作業のしやすさである。
⑷レイタンスとは、コンクリート表面に水とともに浮かび上がって沈殿する物質である。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
コンシステンシー(堅さ)とは、変形や流動に対する抵抗性の程度をいいます。
コンシステンシーが大きい=変形や流動に対する抵抗性が高い、つまり堅めのコンクリート、逆にコンシステンシーが小さいと柔らかい(どろどろの)コンクリートということになります。
設問の内容はブリーディングであるため、不適当です。
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No.8
鉄筋の加工及び組立に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ 鉄筋は、常温で加工することを原則とする。
⑵ 曲げ加工した鉄筋の曲げ戻しは行わないことを原則とする。
⑶ 鉄筋どうしの交点の要所は、スペーサで緊結する。
⑷ 組立後に鉄筋を長期間大気にさらす場合は、鉄筋表面に防錆処理を施す。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
鉄筋どうしの交点の要所は、直径0.8mm 以上の焼きなまし鉄線(ホームセンターなどでも見かける番線のこと)または適切なクリップで結束します。スペーサーとは名前のとおりスペースをつくるもので、鉄筋のかぶり確保のために用いられます。よって設問は不適当です。
鉄筋コンクリート構造物の耐久性を高めるために、鉄筋の強度低下につながる行為(鉄筋の加熱加工、曲げ戻し、錆の発生)を原則行ってはならないことを理解しておきましょう
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No.9
打撃工法による既製杭の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ 群杭の場合、杭群の周辺から中央部へと打ち進むのがよい。
⑵ 中掘り杭工法に比べて、施工時の騒音や振動が大きい。
⑶ ドロップハンマや油圧ハンマ等を用いて地盤に貫入させる。
⑷ 打込みに際しては、試し打ちを行い、杭心位置や角度を確認した後に本打ちに移るのがよい。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
杭を周辺から中央に打ち進むと、締固めの影響で抵抗が大きくなり施工が困難になります。そのため、中央から周辺に向けて打ち進むのが望ましいです。
よって設問は不適当です。
既製杭工法の分類は下記となります。
・打込み杭工法(打撃工法、振動工法、圧入工法)
・埋込み杭工法(プレローディング工法、中堀り杭工法、回転杭工法など)
全ての工法の特徴を覚えるのは大変ですが、設問の内容(杭は中央から周辺に向かって打つ、打ち込み杭工法は振動・騒音が大きい、といった特徴)は最低限覚えておくとよいです。
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No.10
場所打ち杭の「工法名」と「主な資機材」に関する次の組合せのうち、適当でないものはどれか。
[工法名] [主な資機材]
⑴ リバースサーキュレーション工法…ベントナイト水、ケーシング
⑵ アースドリル工法……………………ケーシング、ドリリングバケット
⑶ 深礎工法………………………………削岩機、土留材
⑷ オールケーシング工法………………ケーシングチューブ、ハンマーグラブ
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
リバースサーキュレーション工法とは、掘削ビット(刃)を回転させて地盤を掘削し、泥水ごと土砂を逆循環(リバース)で吸い上げて排出する工法です。
ベントナイト水は掘削した地盤を保護するための安定液、ケーシングは掘削時に使用される鋼管で、アースドリル工法で用いられます。
よって設問は不適当です。
既製杭、場所打ち杭は施工条件・現場条件により工法が分かれており、書面の情報だけで全て把握することは困難です。できれば動画などで施工手順や使用器具などを確認し、各工法の理解を深めておくとよいでしょう。
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No.11
土留めの施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴ 自立式土留め工法は、支保工を必要としない工法である。
⑵ 切梁り式土留め工法には、中間杭や火打ち梁を用いるものがある。
⑶ ヒービングとは、砂質地盤で地下水位以下を掘削した時に、砂が吹き上がる現象である。
⑷ パイピングとは、砂質土の弱いところを通ってボイリングがパイプ状に生じる現象である。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
ヒービングとは、粘性土の軟弱地盤で、土留め壁の背面の土が内側に回り込み、掘削地盤底面が押し上げられる現象です。設問の内容はボイリングであるため、不適当となります。
土留の種類
・自立式土留め工法:支保工を使わずに、土留め壁を自立させる
・切梁式土留め工法:切梁(つっかえ棒)を使用して土留め壁を支える
・アンカー式土留め工法:背面側の地盤にアンカーを定着させて土留め壁を支える
土留め壁施工により生じる現象
・ボイリング:砂質地盤において、掘削底面と周辺地盤の水位差から生じる水圧により、砂が噴き出す現象
・ヒービング:粘性地盤において、土留め壁の背面の土が内側に回り込み、掘削地盤底面が押し上げられる現象
・パイピング:ボイリングが局所的に発生する現象
・盤ぶくれ:掘削底面より下にある地下水により、掘削底面が持ち上がる現象
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