現場代理人とは?「必要な資格」、「兼務の可否」や「常駐の要否」について分かりやすく解説
- 現場代理人の業務の内容を知りたい方
- 現場代理人の兼務について知りたい方
- 現場代理人に必要な資格や経験について知りたい方
工事現場には、現場代理人や主任技術者、監理技術者等、様々な肩書を持った人がいます。
しかし、現場代理人とは、具体的にどのような役目か、知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、「現場代理人」の業務内容や常駐義務、必要な資格などについて解説します。
この記事を読めば、現場代理人という肩書について理解できます。
この記事を書いた人
職業 / Occupation
昼は土木作業員、夜は二児のパパ
仕事と資格勉強は両立可能!
実績 / Achievements
・1級土木、2級土木所持
・応用情報など分野外の資格所持
・全試験1発合格!
・SNS総フォロワー1,500名↑
・セコカン第二次検定用『対策ノート』
販売部数「350部」突破!
現場代理人とは
はじめに、現場代理人についての情報をまとめておきます。
- 現場代理人は、『工事全体の責任者』のこと
- 「工事の円滑な進行」と「品質の確保」が役目
- 現場への常駐は義務
- 現場代理人を務めるのに必要な資格や経験はない
- 2現場以上の現場代理人の兼務は条件に応じて可能
- 主任技術者・監理技術者との兼務は可能
現場代理人とは、元請業者の代表者の代理として、工事現場に配置される『工事全体の責任者』のことです。
公共工事標準請負契約約款には、以下のように記載されております。
第十条 第2項
現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領、第十二条第一項の請求の受理、同条第三項の決定及び通知並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
公共工事標準請負契約約款(https://www.mlit.go.jp/common/001067862.pdf)
現場代理人は、「工事の代表者」といった役目だね。
現場代理人の業務内容
現場代理人の業務の主な目的は、「工事の円滑な進行」と「品質の確保」です。
具体的な業務としては…
- 作業員の指導や指示
- 現場全体の進行の最終的な判断
- 発注者との連絡や交渉など
などが挙げられます。
このように業務内容は多岐にわたるため、建築や土木工事に関する知識と経験を持ち、現場での判断や問題解決能力が求められる役目です。
また、コミュニケーション能力も重要であり、作業員や関係者との円滑なコミュニケーションを図りながら業務を遂行する必要があります。
現場代理人は常駐が必要かどうか
公共工事では、現場全体の判断や発注者との連絡に支障を来さないようにするために、現場代理人の配置と常駐が義務化されております。
ただし、発注者の定める条件や現場の規模によっては、常駐の義務が緩和されるケースもあります。
公共工事標準請負契約約款によると、以下の条件を満たした場合常駐を要しないこととすることができるとされています。
- 工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がない場合
- かつ、発注者との連絡体制が確保されると認めた場合
第十条 第三項
発注者は、前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
公共工事標準請負契約約款(https://www.mlit.go.jp/common/001067862.pdf)
現場代理人に必要な資格と経験
現場代理人になるために「必要な資格はありません」。
法律上、現場代理人の選定に対する規定がないため、『土木施工管理技士』といった特別な資格がなくても現場代理人になることが可能です。
つまり、受注会社との直接的な雇用関係がある人なら誰でも務めることができるということです。
とはいえ、経験や知識が無いと難しい役目だよね…
現場代理人は2つ以上の現場を兼務可能か
現場代理人は、条件を満たせば2以上の「工事現場を兼任する事が可能」です。
主任技術者(監理技術者)との兼任の有無や、工事現場の規模によって兼任できるかどうかが変わってきます。
具体的な工事現場の規模としては、請負額が「4,000万円未満」であれば、2件以上の兼務が認められることがあります。
4000万円未満であれば兼務が可能
ただし、現場代理人の兼務についても、必ず発注者の条件や規定を確認してください。
現場代理人と主任技術者・監理技術者は兼務可能
法律上、現場代理人の兼務に関する規定はありません。
つまり、同じ現場において「主任技術者と兼務することが可能」です。
主任技術者との兼務は一般的ですね♪
まとめ
今回は、現場代理人について解説しました。
最後に改めて現場代理人についてまとめてます。
内容を確認して、自分が現場代理人になったときに対応できるように役目を理解しておきましょう。
- 現場代理人は、『工事全体の責任者』のこと
- 「工事の円滑な進行」と「品質の確保」が役目
- 現場への常駐は義務
- 現場代理人を務めるのに必要な資格や経験はない
- 2現場以上の現場代理人の兼務は条件に応じて可能
- 主任技術者・監理技術者との兼務は可能