【令和3年度前期】2級土木施工管理技士試験第一次検定の過去問解説【無料公開】
令和3年度前期 2級土木施工管理技士第一次検定の試験問題の解説記事
本記事では、『令和3年度前期 2級土木施工管理技士第一次検定』の過去問を解説しております。
他の年度の過去問題は、下記の記事『2級土木施工管理技士の過去問ダウンロード一覧』からダウンロードして確認いただけます。
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令和3年度前期 2級土木施工管理技士第一次検定 過去問解説
No.1~No.11
No.1
『土工作業の種類』と『使用機械』に関する次の組合せのうち、適当でないものはどれか。
(1)掘削・積込み……………バックホウ
(2)溝掘り……………………ランマ
(3)敷均し・整地……………ブルドーザ
(4)締固め……………………ロードローラ
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:2
ランマとは(rammer:突き固める)という英語が語源の機械です。
装置の自重と、衝撃板の上下運動による衝撃で地面を突いて締め固めます。
締め固める事が役割なので、『溝掘り』となっている2が誤りです。[/su_spoiler]
No.2
土土質試験における『試験名』とその『試験結果の利用』に関する次の組合せのうち、適当でないものはどれか。
[試験名] [試験結果の利用]
(1)砂置換法による土の密度試験……………土の締固め管理
(2)土の一軸圧縮試験…………………………支持力の推定
(3)ボーリング孔を利用した透水試験………地盤改良工法の設計
(4)ポータブルコーン貫入試験………………土の粗粒度の判定
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:4
ポータブルコーン貫入試験は、軟弱地盤の土層構成や厚さ (深さ) などを求め、建設機械のトラフィカビリティ (通行性能) や、盛土締め固め管理、戸建住宅地の地耐力の判定に使用される試験です。
よって誤っているのは4番です。
[/su_spoiler]
No.3
盛土工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)盛土の締固めの目的は、土の空気間隙を少なくすることにより、土を安定した状態にすることである。
(2)盛土材料の敷均し厚さは、盛土材料の粒度、土質、要求される締固め度等の条件に左右される。
(3)盛土材料の含水比が施工含水比の範囲内にないときには、空気量の調節が必要となる。
(4)盛土の締固めの効果や特性は、土の種類、含水状態及び施工方法によって大きく変化する。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
盛土材料の含水比が施工含水比の範囲内にないときには、『空気量』の調節が必要となります。
よって謝っているのは『3』となります。
[/su_spoiler]
No.4
盛土工に関する次軟弱地盤における次の改良工法のうち、締固め工法に該当するものはどれか。
(1)押え盛土工法
(2)バーチカルドレーン工法
(3)サンドコンパクションパイル工法
(4)石灰パイル工法
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
サンドコンパクションパイル工法は、強固に締固めた砂杭を地中に造成して地盤を改良する工法。
粘性土地盤では複合地盤を形成し、せん断抵抗力を増すとともに、砂杭の透水性の高さが沈下を早期に安定させ圧密沈下量を低減させます。
・抑え盛土土工法
盛土荷重により基礎地盤のすべり破壊の危険がある場合に、本体盛土に先行して側方に押え盛土を施工して、すべりに対する安全性を確保する工法です。
・バーチカルドレーン
軟弱地盤対策工の1つ。 バーチカルドレーン工法の原理としては、地盤の鉛直方向に対して砂柱(サンドドレーン)等を適切な間隔で設置することで圧密排水距離を短縮し、圧密沈下の促進と地盤強度の増加を図る工法。
・石灰パイル工法
生石灰で地盤中に柱をつくり、その吸収による脱水や化学的結合によって地盤を固結させ、地盤の強度を上げることによって安定を増すと同時に、沈下を減少させる工法。
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[su_spoiler title=”ワンポイント”]
工法を答える問題は、工法の本質が分かっていなくても言葉の意味から解くこともできます。
サンド(土)
+コンパクション(圧縮)
の様に、英語の意味から答えることもできます!
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No.5
コンクリートで使用される骨材の性質に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)骨材の品質は、コンクリートの性質に大きく影響する。
(2)吸水率の大きい骨材を用いたコンクリートは、耐凍害性が向上する。
(3)骨材に有機不純物が多く混入していると、凝結や強度等に悪影響を及ぼす。
(4)骨材の粗粒率が大きいほど、粒度が粗い。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:2
吸水率とは、骨材が含むことができる水の量を百分率で表した数値です。
骨材に空隙が多いとその空隙に水が入るため、吸水率が高くなります。
よって、吸水率が高い骨材を用いたコンクリートは、凍結時に骨材が膨張してポップアウトしやすくなります。
誤っているのは、2となります。
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No.6
コンクリートの施工に関する次の記述のうち、適当ではないものはどれか。
(1)コンクリートを練り混ぜてから打ち終わるまでの時間は、外気温が25°Cを超えるときは2時間以内を標準とする。
(2)現場内でコンクリートを運搬する場合、バケットをクレーンで運搬する方法は、コンクリートの材料分離を少なくできる方法である。
(3)コンクリートを打ち重ねる場合は、棒状バイブレータ(内部振動機)を下層コンクリート中に10cm程度挿入する。
(4)養生では、散水、湛水、湿布で覆う等して、コンクリートを一定期間湿潤状態に保つことが重要である。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
コンクリートの打ち込み時間は、温度に応じて変わります。
・25℃以下の場合 ⇒ 120分
・25℃を超える ⇒ 90分
また、コンクリートの打重ね時間も温度で変わります。
・25℃未満の場合 ⇒ 150分
・25℃以上 ⇒ 120分
この温度と時間の関係は、頻出項目です!
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No.7
フレッシュコンクリートに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)コンシステンシーとは、コンクリートの仕上げ等の作業のしやすさである。
(2)スランプとは、コンクリートの軟らかさの程度を示す指標である。
(3)材料分離抵抗性とは、コンクリート中の材料が分離することに対する抵抗性である。
(4)ブリーディングとは、練混ぜ水の一部が遊離してコンクリート表面に上昇する現象である。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:1
フレッシュコンクリートは、まだ硬化していないコンクリートです。
実務では、生コンといいます。
コンシステンシー(【英】:consistency)とは、フレッシュコンクリートの変形または流動に対する抵抗性の事を言います。
適当ではないので、解答「1」が誤り。
また、『作業のしやすさ』は、ワーカビリティと言います。
ワーカビリティーはコンクリートを打ち込む際の作業のしやすさのことを言います。
スランプが大きいコンクリートは充填作業がしやすいため、ワーカビリティーがいいと言ったりします!
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[su_spoiler title=”ワンポイント”]
コンシステンシーを測定する方法には、
(1)コンクリートに一定の外力を与えたときの変形量を測定するもの(スランプ試験、フロー試験、球貫入試験など)
(2)コンクリートに所定の変形を生じさせるのに必要な仕事量を測定するもの(リモルディング試験、ドロップテーブル試験、など)
があります。
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No.8
型枠の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1)型枠内面には、セパレータを塗布しておく。
(2)コンクリートの側圧は、コンクリート条件、施工条件によらず一定である。
(3)型枠の締付け金物は、型枠を取り外した後、コンクリート表面に残してはならない。
(4)型枠は、取り外しやすい場所から外していくのがよい。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:3
【補足】
1:セパレータではなく剥離剤。
2:側圧はコンクリートの打ち込み速さ、ヘッドの高さ、フレッシュコンクリートの単位体積重量などの要因で変化します。
4:取り外しやすいところから取り外してはいけない。
よって、「3」が解答です。
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No.9
既製杭の打撃工法に用いる杭打ち機に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)ドロップハンマは、ハンマの重心が低く、杭軸と直角にあたるものでなければならない。
(2)ドロップハンマは、ハンマの重量が異なっても落下高さを変えることで、同じ打撃力を得ることができる。
(3)油圧ハンマは、ラムの落下高を任意に調整できることから、杭打ち時の騒音を低くすることができる。
(4)油圧ハンマは、構造自体の特徴から油煙の飛散が非常に多い。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:4
油圧ハンマは、油圧によってラムを持ち上げ、ラムの自由落下によって杭を打撃する杭打ちハンマーの一種です。
衝撃部分の密閉が可能で、低騒音で油煙の飛散がないこと、ラムの落下高を自由にコントロールできることなどの特徴があります。
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No.10
場所打ち杭をオールケーシング工法で施工する場合、使用しない機材は次のうちどれか。
(1)トレミー管
(2)ハンマグラブ
(3)ケーシングチューブ
(4)サクションホース
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:4
ケーシングチューブを掘削孔全長にわたり揺動・押込みながらケーシングチューブ内の土砂をハンマーグラブにて掘削・排土することで掘削し、所定の深さの地盤に達したら孔底処理を行います。
鉄筋かごを建込み後、トレミーによりコンクリートを打込み、打ち込む際に引抜き回収を行う工法です。
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No.11
土留め壁の『種類』と『特徴』に関する次の組合せのうち、適当なものはどれか。
[種類] [特徴]
(1)連続地中壁………あらゆる地盤に適用でき、他に比べ経済的である。
(2)鋼矢板……………止水性が高く、施工は比較的容易である。
(3)柱列杭……………剛性が小さいため、浅い掘削に適する。
(4)親杭・横矢板……地下水のある地盤に適しているが、施工は比較的難しい。
[su_spoiler title=”解答&解説”]
解答:2
【鋼矢板工法の特長】
・工事が簡単で、 施工設備を必要としない。
・急速施工が可能で、 工期が大幅に短縮できる。
・止水性が高い。
などの特徴がある。
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[su_spoiler title=”解答&解説”]
連続地中壁は剛性は大きいが、費用もかかり経済的とはいえない。
柱列杭は場所打ちコンクリート杭を連続して打設する工法で剛性は大きい。
地下水のない地盤に適用でき、施工は比較的容易である。
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